望月諒子『神の手』

編集者の男と医師と雑誌記者の女が、いなくなった一人の作家志望の女・来生恭子とその凄まじい作品に翻弄され、追い詰められてゆくお話。
うわー感想書きにくい。確かな手応えはないのにとてつもない圧力を持って迫ってくる雰囲気を持った小説で、確かにこれは凄い、一気に読んだらもっと面白かっただろう、とは思うものの、小説を書くという行為の作中での扱い方が僕にはあまり合わなかった感じ。ちょっと白けてしまった。あと、最終的に「男」と「女」の話になってしまった感もあって、そこも物足りない。来生恭子という一人の女性像がもっと強く立ち現れてほしかったと言うか。