スイミング・プール

イギリスの売れっ子女流ミステリ作家シャーロット・ランプリングは本の出版者で愛人でもあるジョンの勧めに従ってフランスの別荘に滞在する。そこにやって来たジョンの娘リュディヴィーヌ・サニエはその奔放さでランプリングを辟易させるが、彼女も次第にサニエ嬢に惹かれていき……というお話。
素晴らしく品性下劣で、下世話で、悪趣味な、まるで女性週刊誌みたいな映画だと思った。オシャレ映画みたいなふりしてるのがタチ悪くていいな。僕は好きです。一応ミステリ映画でもあるので(予想範囲内の)意外なオチとかも用意されてるのだけど、意図的に説明不足で物語の全体像はさっぱりわからん。このよくわからんオチに関しては単なる詰めの甘さみたいなのを感じてあまり趣味じゃないが、終盤に至るまでの雰囲気で全て許す気になろうというものだ。人間の品性下劣な部分ってのはじっと見つめちゃうと結構スリリングなもので、そのへん上手く描写したなーという感じ。フリークスの出し方とかサニエ嬢の取り乱し演技の映し方に見える作者側の悪趣味さもいいな。楽しみました。