下妻物語

嶽本野ばらによる原作(→感想)を映画化したもの。うーん、これは原作を面白く読んだ身としては文句が結構あるよ。原作にあったハードボイルド風味が薄れて、全体的に甘ーくなっちゃってるのが残念だ。と言うか、これ、自分の居場所探しの話になっちゃってる!揺るがない、迷わないのが桃子とイチゴじゃなかったのか。そんな二人が互いに影響し合うのが面白かったのに。ケンカ→仲直りのシーンと、最後のBABY社長の素敵なアドバイスのシーンの甘々さだけはどうにかしてほしかった。あと、場面場面はそこそこ面白いのにそれらを繋ぐのが巧くいってない印象で、どうもストーリーに乗りにくかったなあ。だんだん気分が盛り下がっちゃった。それと同時に最初は笑えていたギャグも笑えなくなってくるし。クライマックスの乱闘シーンくらいはどーんと盛り上げて欲しかった、って言うか、原作にあった「バイク投げ」を何故やらないんだ!あれこそ映像映えしそうなのに。
と、一通り文句垂れてみたので良かった所も挙げておこう。それは何と言ってもイチゴ役の土屋アンナ。いやー予想外に良かった。ヤンキー喋りとか頭突きしたり蹴ったりが板に付きすぎ。とても演技してるようには見えません。この映画の中で一番輝いてたのは間違いなくこの人だな。それに比べると桃子役の深田恭子はいまいち。かなり役に合ってはいるのだけど、まだ醒め方が足りない。端役の豪華(?)キャスト陣もいまいち存在感が薄かったなあ。もっと巧い使い方があったのでは。とりあえず水野晴郎ネタはもう飽きたぞ、と。
さて、ここからは余談。もしやとは思ったが、やっぱり観に来てたぞロリータな方々!全身気合の入った真性ロリータファッションの人が僕の隣に座っててちょっと緊張してしまった。格好は普通のおじさんなのに腕にピンクのヒラヒラ服を来た人形を抱えてる、という謎の人物もいました。ほへー。と言うわけで、今この映画を観に行くと面白い体験が出来るかも!おすすめ。
(注:馬鹿にしてるんじゃないですよ)