レクイエム・フォー・ドリーム

寂しい太めおばさんエレン・バーンステイン、その息子ジャレッド・レト、息子の恋人ジェニファー・コネリー、息子の友人マ−ロン・ウェイアンズの四人がクスリに翻弄されてズタボロになっていくお話。誰だ!こんなの見せたのは!って、自分で勝手に見たんですけど、いやーこれは酷い(褒め言葉)。救いのないストーリーに画面分割やらスローやら妙な工夫盛りだくさんの映像と何やら不穏な音楽があいまって、凄まじい不快感が休む間もなく襲って来る。
中盤あたりまでは「ふむふむ、なかなか立派にホラーしてるじゃないの。冷蔵庫が襲って来るなんていう間抜けな絵面がここまで怖いのはすごいな」とか思っていられたけど、終盤はもうそれどころじゃない。ラスト10分はすごいよ!何度一時停止して休もうと思ったことか。見終わったらもう神経使いすぎでぐったり。こりゃあ劇場公開時は途中退出者続出だったろうなあ。と言うわけで、面白いと言うと語弊があるものの、すごい映画ではあると思うのでおすすめ。ただ、疲れてるときは見ないほうがいいでしょう。
「グチャグチャな腕に注射するところなんて映すなー!」とか「電気ショックって、そんなベタな」とか、ひょっとするとただの悪趣味?と思わせる部分もありつつ、そこそこ上品にまとまっているのが良い所。映像テクニックを駆使しながらもあんまカッコいい感じがしないのは好感度高いな。「何の音?と思ったら歯軋りだった」の場面に代表される不穏ホラーがだんだん超不快ムービーになっていく過程も面白い。エレン・バーンステインの廃人演技も勿論素晴らしい。いろいろ巧いですな。