シャンドライの恋

夫が何やら政治的な罪で投獄されてる主人公シャンドライは金持ち職無し独身男キンスキーの家に住み込みで働き、その合間に医学学校に通っている。ある日、彼女は唐突にキンスキーに愛を告白され……というお話。カメラアングルが目まぐるしく変わったりカットの途中が欠落してたり急にスローモーションになったりして、意地でも人物の動きを連続したものとして見せるもんか!という感じの撮り方が不思議に嫌らしくなくうざったくなく、むしろわりとベタなストーリーに切実さを持たせられているようで好印象。この撮り方のおかげでシャンドライの大仰過ぎる感情表現にまである種のリアリティを感じてしまう。だんだんとキンスキーに庇護欲をくすぐられていくシャンドライ、という展開(に僕には見えた)のどーしよーもなさも好き。ラストはちゃんと切ないし。
キンスキー役のデヴィッド・シューリスは『ディボーシング・ジャック』(→感想)の時と比べると相当に好感度アップ。こういうダメインテリみたいな役のほうが合うみたいだ。他のキャストはどうでもよし。