死者の学園祭

ご存知赤川次郎原作の映画化。主人公深田恭子は演劇部員。自殺した親友が書き残した脚本を学園祭で上演しようと奔走する中、次々に殺人事件が起こって……というお話。やたら古風な学園サスペンスながら、その古風な所を強みに出来ていていいんじゃないでしょうか。全体的にわりと上品で、二時間ドラマ的なものに堕していないあたり特に。終盤の三文芝居はちょっと辛いものの、その後の父娘愛ドーン!なシーンできちんと締めているので問題なし。男やもめの寡黙な国語教師に片想いの主人公……というサブプロットをもうベッタベタにまとめ、そこに主題歌がかぶさって来て終わるラストシーンもとても甘酸っぱくて、いや正直僕はこういうのかなり好きです。映画館で観てたら泣いてたかも、とすら思った。
キャストでは何と言っても深田恭子。この頃は本当に美少女だったのですねえ。ふくれ顔が可愛い。彼女のビジュアルとたどたどしい演技が醸し出す健気さによって「親友の死の真相を探りたい!」という思いが正当に見えるのだから貴重でしょう。このへん今読みかけの氷川透各務原死の逆説』なんかも見習って欲しいところ。おっと、余談でした。深田恭子の想い人役の加藤雅也もちゃーんとかっこよくて、そのポジションに文句なし。あと、筒井康隆(園長役)にはちょっと笑ってしまった。そもそもこの人神父には見えないよ。