ビッグ・フィッシュ

長年不和だった父に死期が迫り、息子ウィルは父と故の対話の機会を持とうとし、同時に子供のころ父から聞かされたいくつもの信じられない話の信憑性を探ろうとする……というお話。結構期待していたのだけど、いまいちかな。この話の締め方では結局ホラ話には慰めとしての機能くらいしかないようじゃないか。そんな弱いことでいいのか。ファンタジックな映像にしても、タイトルバックの所のデカい魚を釣り上げる場面なんてかなり素敵だったけど、いざ本編に入ると物語の中に位置づけられているということを映像にとっての強みにできていない感じで不満。予告編の切れ切れバラバラの映像のほうがむしろ泣けたなあ。ホラ話の捏造具合が「父が息子に聞かせる話」であることから発している(ことを示せている)あたりはいいと思うけど。
キャスティングはさすがに巧い。主演(?)のユアン・マクレガーは映画のファンタジックな雰囲気にぴったりで、少し嫌な所も含めて主人公の役にハマっているけど、この役はもう少し若い人のほうが良かった気もするな。母の若い頃役のアリソン・ローマン、ジェニー役のヘレナ・ボナム=カーターも雰囲気が浮世離れしていていい。あとはスティーヴ・ブシェミ!かーわいいー。たまらん。無理しゃり踊ってる場面での体の動きなんか素晴らしいなあ。さすが変な顔。