ウェルカム・トゥ・コリンウッド

労働者階級の掃き溜めコリンウッドに住む食い詰め者が寄り集まって強盗計画を実行しようとするコメディ。映画に詳しくない僕から見てもこのジャンルの映画としては平凡な出来じゃないかという気がする。計画実行当夜に至るまでの展開がダラダラしていて、もっとドタバタしてくれないと楽しくないですよ。キャラの立て方も中途半端で、“仲間”感が醸し出されるのが遅いのは不満。あまり笑えないギャグが多いのもマイナス点。ただ、マイケル・ジェッター演じるヨボヨボ爺さんの足の引っ張り具合だけはなかなかに笑ける。今にも死にそうな歩き方と何言ってるんだかわからないモゴモゴ喋りがナイス。
キャスティングは広面積のタトゥーが似合わないクルーニーを除けば総じて納得のいくもので、その点は巧いかも。まあ僕の好みとしてはサム・ロックウェル(ほぼ主演状態)にはもっと信用できなさそうなキャラを演ってほしいのだけど。でもこの映画でクルーニーがサムロクたんを見初めたっていうエピソードは美味しいな。前述のマイケル・ジェッターの他にも、アイザイア・ワシントンはかっこいいし、パトリシア・クラークソンはいい具合にくたびれているし、ウィリアム・H・メイシーだって(カクカクの揉み上げに違和感があるものの)ちょうどいい情けなさで、みんないい演技をしているのに脚本がいまいちってのはやっぱり勿体無いなあ。