誘拐犯

二人組みのチンピラ(ベニチオ・デル・トロライアン・フィリップ)が大富豪夫婦の子供の代理母を誘拐するが……というお話。うーん、何がやりたかったのかよくわからんなあ。アクションシーンも一応あるもののやたらに単調で物凄く退屈だし、誘拐サスペンスとして見るとちっとも事態が二転三転しない……と言うか一応ハプニングは起こるのだけど、登場人物の反応が薄いのでちっとも盛り上がらない。
心理ドラマが盛り上がる気配は少しあったものの、登場人物ほぼ全員が自分のことしか考えていない(ように見えた)ので人間関係に動きがなく、これまたダメだった。ドラマが発生してたのはあのお医者さん周りくらいかな。冒頭のコミカルな雰囲気は打楽器ばかり鳴ってるサウンドトラックにも合っていて、なかなか良かっただけに残念。ずっとあんな調子なら面白かったのに。
キャストではマフィアの手先役ジェームズ・カーンが渋くて良かった。ライアン・フィリップはこの時点ではもうそんなに若くもないだろうに顔があどけなさすぎて、チンピラ役としては違和感が(「あどけない顔にいい体」物件としては見物だったが)。デル・トロは何だか不必要にかっこいい。もっとだらしない感じのほうがこの役には良くないか。