スクール・オブ・ロック

ロックバンドを成功させる夢を捨てきれないダメ人間ジャック・ブラックが、偽教師としてもぐりこんだ先の私立小学校で生徒とバンドを組むことを思いつき……という話。さすがに前評判めちゃくちゃ良かっただけあって面白かった。終わったとき「あれっ、もう終わったの?」っていう風に感じてしまったくらい。テンポも良くて途中で我に帰らされてしまう瞬間が無く、終始画面に惹き付けられていられたのが良かった。
ただ、もっと濃いいムードの映画かとおもってたら意外に手堅くまとまっている感じさえする仕上がりで、微妙に肩透かし感があったかも。ジャック・ブラックのキャラがもっとヲタクっぽかったら満足だったんだが。あと、ロックロック言ってるわりに結構お行儀いいよねってのもあるんだけど、子供達が本当に“反抗”でもしようものならさぞうっとうしいドラマになるだろうことが瞬時に予想されるので、これでよかったんだろうな。保守的なはずの親達まであっさり懐柔される都合のいい展開も、余計なこと考えなくて済むという点でたぶん正解。
キャストではジャック・ブラックはまあ大体予想通りな感じなのだけど(でもすぐに目がイッてしまうのはさすが)、校長役のジョーン・キューザックが良かった。弱音をこぼす姿がとてもチャーミング。生徒の中ではクラス委員のサマーっていうアヒル顔の女の子の仕切りっぷりがもうえらい可愛い。たまらんです。男の子より女の子に目がいったのは久しぶりだ。しかしバンドのメインメンバーで唯一キャラが立つエピソードがないベースのケイティは何だか可哀相だな。もうちょっと何かあってもよかったのに。