ファントム

田舎に住んでる姉が都会に住んでる妹を連れて自分の村に帰ると、村中の人間が忽然と姿を消していた。転がっていたいくつかの死体もいつの間にか消えてしまう。彼女達は唯一残っていた保安官等と協力し、何が起こっているのか探ろうとするが……という話。これまたあからさまにB級映画っぽい。あの蛾が出て来たときはどうしようかと思った。モスラか!化け物の虜となった人達の暴れっぷりもなんとも安っぽさを醸し出してます。と言うか、化け物が暴れだした動機も、化け物をやっつける作戦も、ラストシーン(ああ、やっぱり!)も、なんかもうほぼ全てにおいて見事に安っぽい。
じゃあB級映画として見れば楽しめるのかと言うとそんなこともなくって、主人公を定めない上に駆け足過ぎる展開が娯楽性を低くしている感じ。B級映画にはB級映画なりのスリル・ショック・サスペンス演出ってものがあるでしょう。マリー・セレスト号状態の村の様子すらちゃんと見せてくれないってどういうことよ。と、そんな風に前半はどうにもふらふらしてるので、安っちいホラーが好きな人には後半からがおすすめ。キャストではマッド・サイエンティスト役のピーター・オトゥールが本当にマッド・サイエンティストに見え、かつ強烈に安っぽくて気に入った。