ピーター・パン

ああ、これは。綺麗綺麗綺麗。すごい綺麗。ネバーランドってのは子供(それも男の子)の夢想が形になったものだから、戦って負かされるためだけにいる海賊達がいるし、妖精だって勿論いるし(それも虫みたいなやつ)、妖精の粉をかければ楽しいこと考えるだけで空を飛べるし、雲には乗れるし、ワニは変な怪物みたいな姿をしてるし、鉄砲撃つと発砲と着弾の時間差がおかしいし、あの子を忘れてもらうために実家の窓を閉めておくし、それでもみんな本当のママが欲しかったりするし。こういう、無垢さゆえの歪んだ世界観に従って世界が動いている様を見せられると、それは本当に汚されていなくて、綺麗で、僕はもうたまらない。実際、見てる間ヤバいくらい泣きっ放しでした。子供達が飛んでるのを見てるだけで泣けるんだからどうしようもない。映画見て鼻かまなきゃいけないほど泣いたのは初めてだ(それはきっと見てる映画の絶対数が少ないからだが)。いやあ、全く期待してなかったのになあ。
そりゃあネバーランドはとっても素敵な所であるけれど、ずっといるわけにはいかないし、やっぱり大人になりたい気持ちもあるしでウェンディー達は帰るわけだけど、ピーターは“永遠の子供”たる責任と言うか運命と言うかがあるので帰れなくて、別れは寂しくて、でもウェンディーに指抜きをもらったから大丈夫なんだった。例え彼女が忘れてしまってもこれは永遠の恋なんだからいいのだ。いやあ、もう綺麗で儚いのもいい加減にしろってな感じ。フェアリーテイル的なものが好きな人は是非見ましょう。そして泣くといいと思った。