デュースワイルド

ファーストシーンから強烈に安っぽいので不安におののいてしまったのだけど、次のシーンで気付いた。これ、現代の話じゃないじゃないか。えーと、1950年代のブルックリンを舞台に、二つの若者チンピラ集団の抗争の様を描いた映画でした。でもその年代のアメリカ不良少年像(もしくはその年代の映画の中のそれ)のコスチューム・プレイとしても再現度が中途半端だし、独自の美意識を持ち込んでいるわけでもないのでやっぱり安っちい。せいぜいテレビドラマくらいのレベルのコスプレ劇にしか見えないなあ。演じてる役者が誰も彼も柄じゃない感じなんだもの(特にジェームズ・フランコは汚い不良役が哀しいくらい似合わない)。唯一、子役のフランキー・ムニッズ君に限っては実にそれらしく見えて感心したけど。
ストーリーのほうもあまりよろしくない。強くかっこいいチームのリーダーである兄と彼に憧れる弟(と、ヤク中で死んだ末の弟)の関係も、兄ともう一つのチームのリーダーとの間の確執、弟とその恋人の恋愛模様、どの要素も中途半端。せっかく燃える兄弟ドラマになり得る基盤があるのに、テキトーに終わらせました感があるのは非常に納得がいかん。そりゃ兄と弟のどちらかは死ぬだろうと思ってたけど、あんな軽ーい死なせ方じゃ彼も報われないだろう。全体的に、どこもかしこも締まりがないという印象。
ちなみにフランキー・ムニッズ君は本国でこのような(http://d.hatena.ne.jp/machizo3000/20040202#p1)扱いを受けているらしい。へえー。『エージェント・コーディ』は日本公開が決まったようで。観に行きたいな。