深田恭子『Universe』

3年前くらいに出た深田恭子の2枚目のアルバム。かなり素敵。かなりおもしろ。深田恭子という面白すぎる素材をどうプロデュースするか?ということで、製作者のみなさん非常にクレバーに楽しんでらっしゃいます。中でもやっぱり小西康陽氏はビシッと決めてきました。彼の手がけた「キミノヒトミニコイシテル」、良すぎ。バックのピコピコ音が主張しすぎなのもなんだかフニャフニャなサビのメロディーも「深田も最近キレイになったとよく言われますが」だの「マメミムメモ・マメミムマモ・マメミム・マジカルビーム」だの言ってる腰砕け感抜群の歌詞も、全てが深田恭子ソングとして大正解。満点。「マメミムマモ」の二つ目の「マ」がメって言えなくてマって言っちゃったー、みたいに聴こえるのまで計算尽くなんだったらすごいな。さすがにそれはないだろうけど。
他にも「スイミング」「フィギュア」「People」など、聴き流せるんだけどよく聴くとほとんど瑕がない、という感じの良曲が並びます。更に注目したいのが収録曲のほとんどで作詞を手がけているこなかりゆという人物。この人の歌詞の外し方が深田恭子のキャラと非常によくシンクロする感じなのです。メッセージ性を高めようとするあまり「仏典」だの「猫も杓子も」だのアイドル歌謡とは思えない単語を使ってしまったり、詩的なイメージを紡ぐつもりがアブナくなってしまったりするその作詞術は素晴らしい。まさに深田恭子ソングにうってつけの作詞家と言えるのでは。いやあ、歌手・深田恭子って面白いなあ。もう音楽活動しないんだろうか。勿体無い。