ホーンティング

不眠症についての実験という名目で豪奢な屋敷に4人の男女が集められる。彼等がそこで時間を過ごすうちに、次々と怪奇現象が起こり出し……という話。「えらいもん見てしまった」感も無く、ただ普通につまらない映画だった。これを見て、ダークキャッスルは良心的な映画を作っているということが確認できた気が。
いや恐くないのはいいのですよ。ただ展開がダレすぎ。まず、怪異は全て一夜のうちに起きて収束を迎えるべきであり、そこをノロノロ一週間もかけてしまっては盛り上がるのは難しい。頭わるーい感じ。そして主人公の女性がただ一人怪異が見えるためにイっちゃってる人扱いをされるというお決まりのパターンが出てくるのですが、この段階を引っ張りすぎて本当にイっちゃってる人にしか見えなくなってます。演じるリリ・テイラーの熱演も逆効果。実は本当にイっちゃってる人で、霊なんていなかったっていうオチだったらすごいなあと思いながら見てたけど、さすがにそれはなかった。そもそも主人公が屋敷に対して責任を感じる理由に説得力が無いせいで、彼女が独り善がりに見えてしまって感情移入できないとか、ラストが「感動」どころではないとかの疵が生まれているよなあ。あと、せっかく死人を出すならもっと派手に出しとけ!あんな死んだかどうかもよくわからんような死に方じゃ大いに不満だ。
まあ、斯様にダメダメな映画なんですけど、唯一手放しで褒められるのが屋敷のセットの出来。もう笑っちゃうくらい素晴らしい。実際、部屋に入ると自動的に床が回りだし、音楽が流れ出す壁全面鏡張りの物凄い部屋が出て来たときは笑ってしまった。他にもわけわかんないくらい飾り立ててある廊下とか、だたっ広い広間とか見所がたくさん。まあ、ストーリーにはほぼ無関係なんですけど。キャストではキャサリン・ゼタ=ジョーンズの役立たずっぷりが妙に魅力的。無意味にバイセクシャルというキャラ付けがされてるあたりもなんだかいい。あとはオーウェン・ウィルソンがもっと濃い顔だったら良かったのになあ。