トリプルX

命知らずのチンピラがアメリカのエージェントとしてスカウトされ、プラハの悪の組織に潜入させられてごたごたあったうちに本人もやる気になっていろいろ奮闘するお話。これはもうヴィン・ディーゼルの魅力に尽きるでしょうな。この人、全身刺青筋肉スキンヘッドの恐そうな体に不似合いなほど顔が優しそうでチャーミングなんで、やたらと連発される嘘臭いくらい危険そうなアクションシーンに妙な深みが加わっていて楽しい。だからヴィン兄貴の顔が見えないスノーボードアクションのシーンはあんまり面白くなかったりするんだけど。ワルぶってるけど困ってる人を放っておけない根のいい奴、というベタなキャラクターに説得力を持たせてるのもこの人の存在感でしょう。地でやってるように見えるもの。
お話としては、序盤のエージェント認定テストのあたりと終盤の主人公がマジになって奮闘する部分はどっちも荒唐無稽な感じが面白いものの、中盤の真面目に潜入捜査してるあたりがいまいち。ただ、前述のようにヴィン兄貴の存在感が抜群なのと、スパイ小道具とか変なアクションとかの捻り要素、サミュエル・L・ジャクソン演じる冷静沈着な顔面半分焼け爛れ諜報局高官を始めとする脇キャラのキャラ立ちなんかのおかげでドラマが引き立ってるので、退屈しないで見ていられる。続編は来年公開予定のようだけど、主演がアイス・キューブに変わり監督も降板するとかいう話に不安がいっぱい。とりあえず小太りのヲタクっぽいスパイグッズ開発者トビーたん(萌え!)の出番を増やしてくれるなら、僕は嬉しい。