シャンプー台のむこうに

アラン・リックマンビル・ナイがヘアドレッサー選手権で対決?ギャース!と、見る前から倒れそうになってた映画なのですが、実際見てみると美容師!オヤジ!ビル・ナイ!って所から予想されるほど濃くなくって拍子抜け。「そりゃあ濃いネタを扱ってはいますがそんなことより家族愛とかのほうが大事なんですよ」とでも言いたげなスタンスがちょっと引っかかるなあ。濃いネタが濃いネタとして存在するが故に感動的な結末が引き立つ、って感じのほうが僕は好きだ。ともかく、この話はこんなに辛気臭い所に落とすべきではなかったのでは?ということが言いたい。もうちょっとコメディ色が強くてもいいじゃないか。
で、一応ジョシュ・ハートネット(意外と引っ込み思案に見えてちょっと可愛らしい)だのレイチェル・リー・クック(たぶんもうちょっと化粧薄いほうが可愛い)だの若いのも出てるんだけど存在感薄いです。やはしアラン・リックマンビル・ナイのイギリスオヤジ二人でしょう、この映画は。特にアラン・リックマン!ギャース!美容師役なもんだからほんの僅かナヨナヨしていて、その不機嫌顔やモゴモゴ喋りとのミスマッチから来る気持ち悪さが何とも言えず心地悪くも心地良く……って変な物言いですが、そんな感じです。あ、あとナターシャ・リチャードソンの「かつての名モデル」な感じも良かった。せっかくこういう人達が揃ってるんだからもっと陽気で濃い話にしろよ、と。やっぱりそこだな。