8人の女たち

あるフランスの一家の主人が殺された!現場に居合わせた妻、妹、義母、義妹、長女、次女、メイド2人(おばさんと若いの)の8人は疑心暗鬼に陥りながら犯人を探すが……みたいな話。ええと、これは演劇とか舞台の類ですね。セットから衣装から身体表現からセリフ回しからカメラの動き方からお手軽なミュージカルシーンから、いちいち芝居がかってるのだもの。最後なんてみんなで手をつないで前のほうに出てくるのだよ!この「芝居がかった」感を楽しむ映画なんでしょうな、きっと。実際、大雪で門が開かないって話のはずなのに外が映るシーンではせいぜい1cmくらいしか積もってるように見えないとか、そういう確信犯的な絵空事っぽさはわりと楽しめた。
でも見る側としてはそういう素敵なお芝居的世界からはみ出た部分に注目すると面白いかも。唐突なわりにあっさり受け入れられる同性愛ネタとか。このへんはたぶん製作者の趣味なんでしょうな。むふふー。ちなみに一応「雪の山荘」シチュエーションを扱った話ではあるものの、不可能殺人も無ければあらこんな所に伏線が!もないので本格ミステリ的興味を持って見てはいけないと思う。“犯人”もバレバレだし。