アイアン・ジャイアント

母子家庭ですくすく育つ少年ホーガース(ショタ味薄し)はある日巨大ロボット(声はヴィン・ディーゼル!)と出会う。そのロボットは“兵器”として開発されたものの、優しい心を持っているのだ。だが、彼を危険なものと判断した役人の要請で軍隊が出動し……みたいなアニメ映画。むーん、いまいちグッと来ない。ベタさを強みとして活かし切れていない印象があるなあ。ホーガースにたぶらかされてあんなことになってしまう可哀相な鉄人の図、に見える気がするので、少年と鉄人の心の交流をもっと丁寧に描写してほしかった。ま、そのへんフォローするのがあのラストシーンなんだろうけど。スーパーマンとか、鉄人の自動修理装置とかのさり気ないネタで盛り上げるやり方は巧い。
アニメーションの魅力も僕にはあまり感じられなかった。CGでいじってそうな部分とそうでない部分の差に違和感が感じられてしまってねえ。もうちょっと立体感のある画面が見たかった。勿論、鉄人と少年が夜中に走り回る図とか、魅力的なシーンもいくつかあったけど。キャラクターデザインもいまいちで、ディーンなんかもっといい人そうに描いてあげればいいのに。終盤までいつか裏切るんだろうと思ってたぞ僕は。それでなくてもちゃっかり結婚してるあたりろくな人間じゃないな、彼は。