13ゴースト

おお、これは。同じダークキャッスル・エンターテインメント製作の『TATARI』(→感想)よりだいぶ面白く出来てるじゃないか。『TATARI』での一番の不満はキャラ配置及びキャラ立てが上手くいっていないということだったのだが、これが解消されてるのが嬉しい。あと『TATARI』では幽霊が随分もったいぶってて、もっと気入れて襲ってこんかーい!って感じだったのも改善されてます。幽霊達、やる気まんまん。いい傾向だ。かようにして次々と襲い来る幽霊達と何もわからずただひたすら逃げ惑う人間達、という中盤のシーンに俗っぽい魅力が宿ったというわけだな。ただ、中盤過ぎるとストーリーが「いい話」方向に転がりだしていまいちになるけど。
全面ガラス張りで複雑なゼンマイ仕掛けという立体迷路のようなお化け屋敷のデザイン、及び幽霊の見えるメガネだの幽霊が越えられない呪文を書いてある壁だののギミックがそこそこ有効に利用されてるのも見所。13人の幽霊各々についての背景エピソードがわざわざ作ってあって、DVDに入れてるあたりの凝りようも支持したい。更に同好の士・ヤオイストの方々には、『グリーンマイル』の性悪看守パーシー以来(僕の中で)の被虐心を煽りまくる受けキャラ・デニス(演じるのはマシュー・リラード)を声を大にしてお勧めしておきたい。捻じ曲がった嫌な性格で、メガネを欠けたり外したりすることでより倒錯的な「メガネ君」性が味わえるし、霊能者という設定なので霊に感応して喘ぐわぶっ倒れるわ、おまけに驚き方・怯え方がいちいちギャルっぽかったりでもう大変。これは強力だ。