仄暗い水の底から

引っかかる部分はあるけど悪くない。ウェルメイドなホラーをやろうとしてる姿勢がまず好ましいしなあ。そのウェルメイドな感じを出そうとしてるクライマックス(エレベーターのとこ)はいささか強引な展開でついていけなかったりするんだけど、それほど困惑するものじゃなかった。いろんな種類の同情(登場人物のも観客のも)をごちゃごちゃにして無理矢理何か別のものにすり替えようとしてる感じは好きだ。成功してるとは言い難いけど。
クライマックス前までの王道ホラー的演出は実にそつのない感じ。生理的恐怖感に訴えかけるヴィジュアルイメージがきちんと統一されてるし、いくつか脅かしの演出をしてるところもあるし、その体勢で臨めばちゃーんと怖がれるでしょう。幽霊出現の理由に関する王道ネタも途中まで気づかなかったんでサスペンス的にも一応楽しめた。本編見た後で予告編見てみたらあっさりバラされてたけど、あれはいかんな。