金髪の草原

なんだろう、これは。だいぶ困惑してしまった。とりあず巧い映画ではないことは確かだな。好きな映画でないことも確か。この大量のツッコミ所を無造作に放置してる感じはなんなんだろう。でも、なんだか微笑ましかったりもして面白くなかったとは言い切れない。
一夜にして記憶が60年分退行してしまった80歳のボケ老人を(彼の内面と同じ)若い男の絵で表したマンガが原作だということなのだけど、まさにそのまんま映像化してあって、老人の役を若い俳優がやってたりする。この自分を若者だと思ってる老人役の伊勢谷友介のセリフ回しが作為的なわりにぎこちなくて気持ち悪いのだけど、だんだん慣れてくるから不思議。何だかんだ言って最後にはこの老人が現実に気づいてしまいませんようにと願ってしまったし、上手な形ではないにしろ愛すべき夢の世界を構築できてるのかも。
しかし池脇千鶴(老人に惚れられるホームヘルパー役)は恐ろしい。たしかナンシー関がこの人のことを21世紀の裕木奈江って書いてたけど、そういう感じ。それも天然で。怖いなー。