降霊

けっこうまともなサスペンスですね。まともすぎて物語が転がりだしてからは先の展開がどんどん読める。オチも予想通り。僕、こういう地道に生きてる善良な人がちょっと魔が差したばかりにどんどん追い込まれていく、という感じのストーリーって辛くて見てらんないのだけど、この映画の場合はそのメインのストーリーの筋にいろいろ妙なものが纏わり付いているところが面白くて気持ちよく(ある意味気持ち悪く)見られた。
だってサスペンスとしては前半夫婦の日常をあそこまで暗く陰気に描写する必要は全くないし、打って変わって後半夫も妻もヒステリックになっちゃって幽霊が出れば棒で打ちつける!ドッペルゲンガーが出れば火をつけて燃やす!っていうやりすぎな言動を見せるのもサスペンス映画としてはバランスを崩すものでしかないだろう。でもそこが面白かった。幽霊に安易な意味を与えていないのが良いのかも。