コール

最近は映画館に行くこと自体が目的化してる気もしつつ、なんとなく観て来た。で、なんだかよくわかんなかった。これって観客が娘を誘拐される被害者家族側にも誘拐犯側にも感情移入出来るようになってないもんだから身の置き所が無くて、観終わる頃にはひたすら困惑、というような状態になってしまった。家族側は裕福な医者一家という時点で妬み根性が働くし、犯人グループは後で明らかになる哀しい(つもりの)誘拐動機が物凄く陳腐なので呆れるばかり。
誘拐物として新趣向があるのはいいのだけど終盤になると突如としてアクション映画になってしまうし、せっかくの名子役(なんだそうですね)ダコタ・ファニングの演技ももっと他に使いようがあった感じで、全体的に焦点が定まってないグズグズな映画だったかと。収穫と言えるのは夫役のスチュアート・タウンゼントは絶世の美男子的な役柄よりこういう普通の男の役のほうが僕にはアピールする、ということがわかったってことか。額に寄るシワが好きだ。ケビン・ベーコンより魅力的だった。