ジャック・ケッチャム『オフシーズン』

お、面白い!……のか?よくわからん……たぶん、エンターテイメントとしては基本的な話の筋がある意味わかりやすいながらも何やら異様な読後感が残るのがよいところ。ケッチャムって初めて読んだのだけど、こんななのか。ふーん。
「基本的な話の筋」ってのはアメリカのメイン州(田舎)に避暑に来た男女六人が現地の食人族に襲われて大変なことに!というもの。食人族の襲撃が始まった次の瞬間には「誰も生き残りそうにない」って思いで胸がいっぱいに!それでいながら「ええっ、この人がこんな死に方を」ってな感じに期待と予想は裏切られまくり。ここまで読者を安心させない展開はちょっと凄いかも。
何か大変なことが起きてそうだってことで地元の警察も捜査に乗り出したりするのだけど、作者はこの警察の人たちもキャラクターとして実に魅力的に描写しておきながら、最終的にはまたも読者の予想を大きく裏切った使い方をしてくれたりで。ひ、ひどい。
まあそんな感じで人がばんばん殺される話から得られるのともまた違う、なんとも不思議な読後感が得られてどうにも居心地が悪い気分になれる。やっぱりこれは面白いかも。