キャットウーマン

奥手な化粧品会社員ペイシェンスは社の新商品に関する秘密を聞いてしまい、口封じに殺される。だが、彼女は魔性の猫の手によってキャットウーマンとして甦った!恋人の刑事との仲も進展し、備わった能力で自由を満喫する彼女だったが……というお話。
アクションシーンは誤魔化してる感が強くてコスいし、キャットウーマンのコスチュームがダサくて「せっかく美人なハル・ベリーが……勿体無い」という感情を引き起こさせてくれるものの、お話のほうはなかなかの燃え展開。主人公が刑事さんに疑われたり信じられたりしながらラブを育てるお約束な趣向が楽しめるし、物語のキーとなるのが美肌クリームだったりラスボスが社長夫人兼年増モデルだったりする捻った筋立てもよし。あのラストだと続編もありそうだけど、観てもいいかな。
ペイシェンスを演じるハル・ベリーは前述の通りメイク・髪型・コスチュームともに似合ってなくてなんだか可哀相。ラスボスのシャロン・ストーンはイジメみたいなキャスティングに堂々と答えているという感じ。納得の“年増”感ですな。刑事さん役のベンジャミン・ブラットはゲイリー・シニーズをソフトにしたような顔で結構目の保養になった。

トイ・ストーリー

カウボーイのオモチャ・ウッディは少年アンディの一番のお気に入りにしてアンディ家のオモチャのリーダー。ところが、そこへやって来た新しいオモチャ・バズにその座を奪われてしまう。いがみ合う二人は、隣家の悪ガキに一緒に捕らえられて……というお話。
うーん、すごいなピクサー。一作目からこんなの作ってたのか……。CGの出来はさすがにこの時点では活き活きとしてるってわけにはいかないものの、頭の良すぎる脚本が十分にそれを補ってる。二人のオモチャの間に友情が芽生えるストーリーの中に「オモチャ可哀相」と「オモチャ幸せそう」を絶妙なバランスで組み込んでいて、特に感心したのはバズの腕がもげたことから複数のエピソードを展開してみせる手さばきと、悪ガキによって不気味な姿に改造されてしまったオモチャ達を途中から“心優しいフリークス”という意味に読み変えるあたり。ラストにはきちんとアクションシーンもあってもう大満足。
ウッディ役トム・ハンクスは顔が出ないのでアクの濃さ激減でいい感じ。バズ役ティム・アレンも滑稽な生真面目さをよく表現してるんじゃないかな。

トイ・ストーリー2

ウッディのオモチャとしてのレア性を見破り、金儲けを見込んで盗んでいったオモチャ屋店長から彼を取り返すべく、バズ達は決死の救出活動に臨む。一方ウッディは盗まれていった先で自分と同じシリーズの人形達と知り合い、博物館に入る話を聞かされる……というお話。
これもまあ面白かったけど、前作よりは落ちるかな、という印象。前作はバズやウッディのオモチャであるが故の悲しみがこれでもかというほど伝わって来たけど、今作でクローズアップされるカウガール人形ジェシーの悲しみはいまいちピンと来なかった。アクションシーンも多くて多様になってるわりにどうも派手さに欠けるような気がする。それでもやはりウッディが靴の裏を削るシーンなんかではホロリと来たのだけど。あと、バズが前作よりさらにナイスキャラになっていると思った。バズ好きです。
前作から引き続き安定してる主役二人のボイスキャストを除けば、ジェシー役のジョーン・キューザックの弾け具合がいい。でもジョーン・キューザックの顔を思い浮かべちゃうと……うわあ(って、これは声優に関してはいつもそうだけど)。