2005-12-09から1日間の記事一覧

森山赳志『黙過の代償』

第33回メフィスト賞受賞作。思えば遠くへ……いや、なんでもない。えーと、今回はポリティカル・サスペンスというところでしょうか。熱い理想を心に抱く青年が皮肉な運命やすれ違いを熱さで乗り切る話ですが、主人公がそこまで熱い奴に見えない、というところ…

フィリップ・クローデル『リンさんの小さな子』

まず言っておくと、やおい的にはあまり美味ではありませんでした。爺さんと中年の心の触れ合い、ということでちょっと、いやかなり期待したんだけどなあ。そういう話ではなかったのですよ。不憫な爺さんに慈しみを抱く、という点で中年と読者は同じ立場だっ…