2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ハイ・フィデリティ

自意識過剰なレコードヲタクのダメ男が女関係の清算を迫られる映画だと聞いていたので、痛々しい主人公が自分の痛々しさに気づいて改心するような話なんだろうと思ってたら、この主人公は最初っからダメではあるがそれほど痛々しくも惨めでもなく、よって感…

アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』

おもしろーい。一般的な意味でのストーリーは存在しないので、適当な時に適当なとこまで読んでは止めるダラダラ読み推奨。僕は一気読みしてしまったが。描かれているイギリス下層階級のジャンキーどもの生活は気が滅入るようなヒドイことばっかりなのに、何…

ホテルビーナス

香川照之鑑賞映画として見ると(僕には)一番具合が良かった。裸ですっ転びながら「(自分が)役立たず……だからじゃないですかねえ」とか言うんだよ?嫌でも反応してしまうっての。件の後姿ヌードにしても、彼の役のキャラを引き立てる、きちんと必然性のあ…

「足らないのは、萌え詩人だ」

わーい。面白いことになってるなあ。萌え者な方々はpoenique「やみなべ」内の投稿者さん作『「萌え詩」確立のためのエチュード』が要チェックだ!サルホボのplogも合わせて見ると良いよ。 僕は例えばたみさんの詩なら一般的な萌え者の方々にもアピールするの…

バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣』(背景色でのネタバレ含)

着る物によって人の人格まで変わる、いや、服こそが人格なのだ!という謎な文化の惑星があって、そこを普通人がいろいろと探索するうちに見えてくる恐ろしい事実……っていう何故かホラーっぽい本筋は恐らく大して重要ではなく、ヘンテコなディテールをこそ楽…

略奪者

『ミシェル・ヴァイヨン』(→感想)の監督の監督作ってことでたぶん面白くないだろうなとは思いつつ、でも同映画の主役だったサガモール・ステヴナンが出てるのが気になって見てみた。ら、サガモール君は全く見せ場のない役で、『ミシェル・ヴァイヨン』みた…

スリー・キングス

あれれー、こんなんでいいの?何もしないうちに湾岸戦争が終わっちゃってなんだかなあなので、フセイン軍が強奪した金塊をイラクに取り返すという名目でネコババしちゃえ!と思い立った4人の兵士……という幕開けからは、コメディ的ストーリーの中から批判性…

おかゆまさき『撲殺天使ドクロちゃ(3)』

2巻よりさらにパワーダウンしてる感が否めないものの、「シリーズ物を読む楽しみ」的なものもそれほど盛り込まれてはいないものの……って、あれ、褒めてないや。いやでもいつものキャラがいつもと同じ風に登場するだけである程度楽しめちゃうのは出来がいい…

スパイキッズ

ジャンルとしては『チャーリーズ・エンジェル』とかに近い気がする陽性バカ映画。ポイントはいかにもオトコノコ心をくすぐりそうなディテールでしょうな。スパイグッズだの秘密基地だのの小道具大道具が無駄に凝っていて、あーあー、こりゃオトコノコは一溜…

ギャングスター・ナンバー1

若い鉄砲玉みたいな男がギャングの世界でのし上がり王になる話かと思ったら……いや、勿論そういう要素もあるんだが、全体としては一人の男の徹底的に報われない愛を描いたラブストーリーだった。それも男→男で、任侠の世界的なそれ。Vシネマとかにもこういう…

霞流一『ウサギの乱』

霞たん念願の(かどうか知らないが)講談社ノベルスからの新刊。おめでとう。と言うわけで中身ですが、いつもの獣道ミステリというヤツで、今回はタイトルどおりウサギ尽くし。ウサギに関する見立て殺人やら何やらが続発するという趣向になっております。全…

ベルベット・ゴールドマイン

バイセクシャルのロックスターとそれを取り巻く人々の伝記みたいな話。グラムロックとか言われても全然知らないしなあ。そのへん詳しければもうちょっと楽しく見ることが出来たのかも。ついでにゲイ映画としての側面にも興味が持てない(やおいよりJUNEに近…

札幌の美術2004 20人の試み展@札幌市民ギャラリー

何年か前から毎年開かれているらしい展覧会。去年初めて行ってとても面白かったので今年も行って来た。去年ほどじゃないにしろ、楽しかったですよ。変なものがたくさんあって。僕は特に入り口入ってすぐのところにあるみすぼらしい感じなんだけど妙な迫力の…

ハート・オブ・ウーマン

女の気持ちのわからない女たらしである主人公がある日突然、女性の考えていることが耳に聞こえるようになってしまった!という話。てっきり「超能力を有効利用し有頂天に→調子に乗りすぎて失敗→改心してハッピーエンド」というパターンかと思っていたら、な…

森博嗣『四季 冬』

えーと。この『四季』って結局ただのファンアイテムだったんですね、という印象。そんなこと言ったら森博嗣の小説なんて全てファンアイテムじゃないか、という物言いも考えられるが。もう少し発展したことというか、何か別なことをやろうとしての企画なんだ…

高里椎奈『ユルユルカ』

薬屋探偵妖綺談シリーズ第11弾。ってもうそんなに続いてたのか。最近のこのシリーズは悪くないと思っていて、特に『双樹に赤 鴉の暗』なんか良いですよ。盛り上げ方が独りよがりじゃなくなってきたと言うか。まあ、僕はこのシリーズを読むことの楽しみを、敢…

『リーグ・オブ・レジェンド アルティメットエディション』(DVD)

買ってきました。わーお、これでいつでもジキル博士のあの萌え喚起力の強すぎる登場シーンを拝めるというわけだ。嬉しい。とりあえず長ったらしい特典映像をざっと見て、ジェイソン・フレミングに惚れ直した。この人って普通にしてるととても爽やかで人が良…

新刊情報

・4月 辻真先『仮題・中学殺人事件』 創元推理文庫 おお、これは?今読むときつそうだけど、買うかも。

ザ・コア

今ひとつ弾けきってないなあ。わりとお金がかかってそうなバカ映画というジャンルなら『タイムライン』(→感想)のほうが、常に作品中の空気に一定のバカ粒子を含ませることに成功しているという点で面白かった。『タイムライン』の勢い余ったゆるゆるさには…

ボーン・コレクター

原作(→感想)はどうも肝心なところで「合わない」という印象を抱いた小説であんまり好きじゃなかった。でもこの映画版に関してはただ「つまらない」という感じ。デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーという主役の二人の顔に力があって魅力的なの…

ドラキュリア(背景色でのネタバレ含)

現代を舞台にしたドラキュア映画。うわー。これまた安っちいなあ。中途半端に空中で回転したりするアクションシーンがまず安い。あの空中浮遊セックスには唖然としてしまったよ。役者陣も、個々人の顔を一つ一つ見ればそれほどでもないような気がするのに、…

竹本健治『囲碁殺人事件』

ゲーム三部作の第一弾。創元推理文庫に落ちてたので買って読んでみました。ふーん。竹本健治ってこういうのも書けるんですね。『匣の中の失楽』しか読んだことないんでわりとこう、いろいろ趣向を凝らしすぎた独りよがりっぽい小説を書く人というようなイメ…

ハイ・クライムズ

最愛の夫が殺人罪その他で逮捕!彼はやってない、救わなきゃ、と奮闘しながらもやり手弁護士の妻は夫への疑いを捨てきれず……みたいな軍事物リーガルサスペンス。とは言え、軍事裁判の特殊性を生かした展開などというものは途中からほとんど無いも同然になっ…

X-MEN2

おおっ、前作(→感想)より良いのでは?小説で言うところのリーダビリティが強くなってる。前作はあんまり「この先どうなるんだろう」とか思わせてくれなかったからなあ。「無駄」と感じさせるアクションシーンもほとんど無くなったし、特に大人世代のドラマ…

mix deepest クロスレビュ第7回 東野圭吾『悪意』

web

発表されてます。なんだかかぶっちゃってますね、内容。

霞流一『おさかな棺』

タイトルと表紙イラスト(五月女ケイ子)と作者霞流一のパブリックイメージがこの上なくマッチしていてよろしい。中身のほうはというと、徹底してバカミスを書き続けながらも、作品中に漂う雰囲気を何があろうと「平熱」に保つことに関しては非常に長けてい…

スライディング・ドア

昔やってたドラマの『if もしも……』みたいな趣向の映画。グウィネス・パルトロウ演じる主人公が会社をクビになった帰り道、電車に乗れたか乗れなかったかでストーリーが分岐して、以降二つのストーリーが並行して描かれる。各々のストーリーは普通のメロドラ…

ひまわり

往年の名作ではなくて新しめの邦画のほう。小学生の頃の同級生の女性が死んだっていうんで葬式に出る主人公等。その葬式の場で次々と違う人物によって語られる死の直前の彼女の様子。並行して主人公も忘れていた小学校時代の彼女の思い出を思い出していく、…

ジョージ・R・R・マーティン編『ワイルド・カード1 大いなる序章』

同一世界設定のもと複数の作家がリレー形式で書いたSF連作短編集、のようなもの。いわゆるシェアードワールドノベルに近いのかな。宇宙人が持って来た得体の知れないウイルスが世界中にばら撒かれ、それに感染した人のほとんどは死亡、しかし少数の者は超…

マスター・アンド・コマンダー

あれ。JAROから警告受けたとかいう、あたかも少年士官候補生達が主役であるかのような宣伝はそんなに間違ってもいないじゃないか。一番若い候補生のブレイクニー君が主役ではないにしろ、3番目くらいのポジションに着けてるし。ブレイクニー君は序盤で不具…