エミリー・ローズ

エクソシスト』を裁判劇でやるというアイデアが抜群! と最初は思ったものの、観終わってみるとそうでもないかな。少女が悪魔に憑かれてから命を落とすまでの経緯が、法廷での証言という形で少しずつ語られてゆく展開がすごくスリリングだったのだけど、終盤は弁護士と検事の陪審員の心情に訴える合戦となり、普通に感動のラストにもつれ込んでしまってがっかり。出世命!な女弁護士が、裁判を通して“正しい道”に立ち戻るという展開も取ってつけたみたいでいまいち。前半の緊張感が最後まで持続してれば……。
その前半の緊張感に一番貢献したのが、悪魔に憑かれる少女役のジェニファー・カーペンター。これは本当に本当に怖い。恐怖に歪められた顔がこんなに恐怖を誘う女優が他にいただろうか。彼女の過剰な演技と、弁護士役ローラ・リニーの抑えた演技の対比もいい感じ。それから、リニーの助手役のJR・ボーンというデコ広俳優を個人的に要チェック。好みだ。