カール・ハイアセン『HOOT ホー』

タイトルが表しているのはフクロウの鳴き声。これだけでハイアセン読者にはどんな話なのかあらかたわかってしまったりするのかな。僕にはこれが初めてのハイアセンだったんだが、面白かった。裸足で疾走する謎の少年のイメージがいきなり冒頭から鮮烈だし、主人公サイドとパンケーキ屋開店に関わる面々サイドの両方から素敵な謎に迫ってゆく展開は快調。ちょっと変わったヤングアダルトの正道という感じ。
ただ、終盤どうもいまいち爽やかなお話になりきれてないのが気になる。エコロジー的な主張がちょっと一方的に見えすぎるので、もっとコメディっぽく乗り切るか、フクロウの可愛らしさを前面に押し出すといいと思った。ちなみにこの小説も映画版が製作済み*1。予告編を見てみたらなんかすごく普通のファミリー映画っぽかった。何か違う……。間抜けな巡査役にルーク・ウィルソンというキャスティングがちょっと気になるかな。