津原泰水『赤い竪琴』

直球のラブストーリーで驚き。筋立てだけなら昨今流行の純愛ものとそんなに違わないですよ。そういう類のものを念頭に置いて、パロディ的に書いたんだろうか。とまあそんなことはどうでもいいのだけど、とりあえずあまり面白くなかった。主人公二人の気持ちがすれ違っているようにしか見えないので、そこを通じ合っているとして進行させる展開がかなり強引に感じられて、疑問でいっぱいのまま読み終わってしまった。なんだこりゃ。意味わかんねー、としか言えないなあ。
あ、これはもしかして「相手は自分を好きな素振りを見せないが、絶対好きなはず!→でも、そういう素振りがないのは何故?→わかった! 彼は○○○○○○○なんだ!」という捩れた理屈付けで突っ走る女の妄想話なんだったりして。それなら納得。