ニュースの天才

この映画の見物は何と言っても、当代きってのフェロモン大量分泌俳優二人ががっぷり四つに組んでぶつかり合う演技対決にある!としたい。捏造記事の責任から逃げまくるヘイデン・クリステンセン。ひたすら誠実に彼を追及するピーター・サースガード。嘘に言い訳を重ねるヘイデン。さらに切り込むサースガード。ヘイデン! サースガード! とこんな感じ。下手な倒叙ミステリよりスリルがあった。
責任の取り方を知らない「大きな子供」な主人公を、人間的な魅力を持った(それだけにタチが悪い)キャラクターとして成立させてしまったヘイデンはすごいし、対する編集長の不器用な真面目さをどこまでも渋く演じ切ったサースガードは死ぬほどカッコいい。この世にも美味な競演の実現に多謝。
それにしても、「僕は悪くない!」と泣き叫ぶだけで周りを説得できる犯人を相手にしたら探偵は大変だろうなー、と思いました。これがミステリの世界の出来事じゃなくてよかった。