ライフ・アクアティック

前作『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』でも感じたある種の嫌らしさ(作り込まれすぎててどこにも入れない!)が今回は最後まで消えてくれなくて、ダメでした。最終的に暖かい家族の繋がりが見えた前作と違って、今作の人間達はヌルーく傷を舐め合ってるようにしか見えないんだもの。ウィレム・デフォーのせっかくのコメディ演技を笑わせてくれないなんてヒドいな。
主演のビル・マーレイはナルシス臭がちょっとキツい。オーウェン・ウィルソンは“ピュア”な役なんだけどそう見えず。このへん、いつもと全く同じキャラで安心させてくれた前作のベン・スティラーと好対照かも。アンジェリカ・ヒューストンの風格と、ジェフ・ゴールドブラムの使い方(やたらと脱がせる)は好き。