今野緒雪『マリア様がみてる 涼風さつさつ』

こっちはなかなか。花寺学院の学園祭というお祭り騒ぎがバックに置かれてあるせいか、それに歩調を合わせて流れてゆくリリアン女学園の日常がなんだかとても微笑ましく、愛らしく感じられる。裕巳のストーカー騒ぎだのといった物騒な出来事も、学園祭当日への流れに乗せられるとちっとも鬱陶しくない。
狂騒的なステージの後ろで起こる、ちょっと吹き出してしまいそうなくらいささやかなクライマックスが綺麗だった。