ジャック・ケッチャム『黒い夏』

ケッチャム先生の最新刊。4年前に女の子二人を惨殺した不良少年とその周辺に漂うピリピリとした緊迫感が、いつ爆発するか、いつ爆発するかと恐れ戦きながら読める、さすがのイヤ小説でした。ラストはやっぱり地獄絵図。不良少年とその新しいガールフレンドが「真実」ゲームをする場面などなど、はっきりしないきっかけで暴走し始める心理を描かせたら天下一品。
ただ、今回は鬼畜キャラであるところのレイが『隣の家の少女』のルースや『老人と犬』のあの一家とは違って内面描写をされるキャラであるせいか、いつもとはちょっとイヤさの種類が違うかも。どちらも面白いのだけど。