ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!

とある高校の生徒会長選挙に立候補したのは目立ちたがりの優等生リース・ウィザースプーン一人。生徒会顧問の教師マシュー・ブロデリックはそれを快く思わず、こっそり頭空っぽの元アメフト花形選手クリス・クラインを立候補させる。そこへ好きな娘を兄に取られた憎しみに燃えるクラインのレズビアンの妹まで絡んで来て、選挙は混乱を見せる……というお話。
ブラック・コメディながら何とも物悲しく、ウィザースプーン嬢とブロデリックの“人生の哀しみ”を知ってしまっている同士の同族嫌悪がひしひしと伝わる、それでいて軽快な映画。特にウィザースプーン嬢のキャラの造形は巧いこといっていて、授業中誰よりも先に必死で手を挙げるようなウザさとその裏側の孤独がどちらも自然に察せられてしまう。
と言うわけで、リース・ウィザースプーンは戯画的なキャラクターに説得力ある演技で応えていていい。同様にマシュー・ブロデリックの衰えっぷり、クリス・クラインの頭空っぽっぷりも堂に入っていて、キャスティングに関してはかなり成功している映画と言えそう。