砂と霧の家

わけあって独り暮しのジェニファー・コネリーは税金を滞納しすぎて父の遺産である家を差し押さえられてしまう。その家を買ったのが元は高い身分なのに移民ゆえに苦しい暮し向きのベン・キングスレー一家。ジェニファーは家を返してほしく、彼等にアタックを仕掛けるが……というお話。
元々可哀相な人達が何かの因果でぶつかり合ってより一層可哀相なことになってしまうってな悲劇ながら、キングスレー一家に比してジェニファー側の可哀相度が圧倒的に足りない。あと、こういう話は「誰も悪くないのにこんなんなっちゃいました」って印象を与えてなんぼだと思うのだけど、この映画の場合誰がどう見てもあの保安官が悪い(よな?)ってのがまた詰めが甘い感じ。さらに言うなら全体的に“死”の描き方に重々しさが足りないかなあ。人死にが続出する終盤で気持ちが醒めていくばかりってのはまずいかと。
ジェニファー・コネリーは堕ちていっても美人のままなのがちょっと。もっと汚れてみてもいいんじゃないだろうか。ベン・キングスレーは怪人的ルックスが憐れみを誘っていい感じ。