翼のない天使

カトリック系の小学校に通う主人公の少年は最愛の祖父を亡くした悲しみから未だ立ち直れず、天国でも祖父が元気でやっているかを知るために神様を探し始めるが……というお話。M.ナイト・シャマランの(ほぼ)初監督作で、今まで見る機会に恵まれなかったのだけど無事に見ることができた次第。
主人公と学校の友達(無鉄砲な親友やいじめっ子、うざったいデブ、変人)の関係が変化していくくだりは、友達のキャラクターが主人公の成長に寄与するためだけにあるように見えてしまって露骨すぎる感があるのだけど、さすがシャマランと言うべきか主人公一家の関係描写はさり気なくも暖かみがあって素晴らしい。序盤のベッドの中で一家全員で会話するシーンみたいな静かで緊張感があってでも暖かい、というシーンがいくつも。
主演の男の子始め子役の演技は別に巧くはないんだけれど(主演の子は表情が大げさすぎ)、その捉えられ方がすごく上手くいっているので問題なし。それぞれに事情を抱えながらも優しい大人達、父母やシスターや神父さんの演技はとてもいい。あと、こんな映画でも(ごく小粒ながら)ミステリ的な仕掛けがあったのには笑った。やはり好きなんですな、シャマラン。