ドット・ジ・アイ

奔放だけど傷つきやすく怯えて暮らす過去を持った女は、やっと出会えた幸せ・裕福で優しいイギリス男との結婚を控えていた。ところが独身最後のパーティーで出会った失業中のブラジル男と激しいキスを交わし、彼女は彼に惹かれていってしまう……というお話。
わりとタルめの恋愛映画と見せかけて実は……というところを楽しめばいいのだろうけど、うーん、悲しいかな。種明かしシーンの挟み方なんかを工夫して、コジャレた感じを維持しつつオチに持っていっているのは巧いとは思うものの、やはりこの程度のオチではもはや驚けない。サプライズ重視という観点を抜きにしても、「冷酷さに勝つのは愛……ではなく、より強い冷酷さ……でもなく、そこそこ冷酷な愛である」ってな中途半端な落とし方はどうだ。僕は拍子抜けしました。
でも、ブラジル男役の今をときめくガエル・ガルシア・ベルナルの“もさセクシー”さだけは本当に本当に素晴らしい!……って書きたいところなのですけど、それは前半だけ。後半に突入するとガエル君に心ときめかす余裕がなくなる作りになってるので。ついでになんともムカつく主人公の女へのムカつきも消えたのは嬉しかったけど。イギリス男役のジェームズ・ダーシーは意外に器用な演技を披露していて、少し感心した。