催眠(背景色でのネタバレ含)

結婚式の最中、新郎がネクタイで首を絞めて自殺。長距離ランナーが無理な全力疾走を続け全身の骨を折って死亡。次々と起こる奇妙な自殺事件。被害者は皆死の前に「ミドリの猿」という言葉を口走っていたという。捜査に当たる刑事宇津井健は事件に“催眠”が関係しているのではないかと疑い、心理カウンセラー稲垣吾郎の協力を仰ぐが……というお話。
冒頭から多用される下品かつトンチの利いたグロ描写がなかなか楽しく、登場人物の心理が全然わからない(特に稲垣吾郎と多重人格女菅野美穂が互いに恋に落ちるあたりどうなってるのかさっぱり)ことを除けば物語の展開も結構見やすい。金属音を聞くと気がおかしくなって死んじゃう!という終盤の恐怖はなかなか新鮮で面白かったし。ただ、クライマックスのモロに『リング』みたいなシーン以降は安さ大爆発になってしまって全く怖くない。もうちょっとこらえてほしかったなあ。
キャストでは勿論菅野美穂のガイキチ演技がいろんな意味でダントツ。これだけでも見る価値あり。宇津井健は大根なんだけどその大根演技が映画のニュアンスに合ったもので良し。あと脇役でいろんな人が出てくるのも見所ですかね。