スチームボーイ

発明者スチム一家に生まれた主人公レイは、祖父の画期的な大発明“スチームボール”の利用法を巡る祖父と父の揉め事に巻き込まれる。そこへ発明の出資者である財団やイギリス政府も絡んで来て、ロンドン博覧会開催の日、街は大変なことに……というお話。
スチームパンク的なものに馴染みが薄いせいもあって、やたら緻密な蒸気機関やメカ描写には惹き付けられたし、レイが飛行装置を作って飛ぶあたりの爽快な絵面なんかには心躍るものがあった。でも、ストーリーのほうは全然心躍らないんだよなあ。もうちっとレイが何を考えて動いてるのかはっきりさせてくれると感情移入もしやすいし、画面の中を暴れまわるモノ達の動きに勝手に意味を付加して勝手に感動できたのに。お嬢様スカーレットの可愛げの無さは意外に可愛かったけど、これも作中にその可愛さを認める人が一人もいないせいで死んでいる。勿体無いなあ。
声の出演陣はと言うと、主演の鈴木杏は思ったより不自然じゃなくて悪くない。スカーレット役の小西真奈美は“若い佐久間レイ”みたいな声で、巧くはないんだけどなかなかチャーミングな演技。アルフレッドさんの役は寺島進だったのか!かっこよかったです。と言うかアルフレッドさんがかっこいい。後はどうでもいいや。