みなさん、さようなら。(背景色でのネタバレ含)

頑固者の父が死に瀕し、長年不和だった息子と和解の場を持ちつつ友人等と穏やかに死に向かうお話……って、なんか『ビッグ・フィッシュ』みたいですが全然違う映画です。大金持ちの息子は金の力で何でも解決、父のために病室を作ったり人を呼び集めたりで、このへんの展開は何とも退屈かつイヤーなムード。父と友人達との会話にもちっともハッとするものが無い。でも終盤にはやっぱり父と息子の心の交流の場面が用意してあって、やれやれやっと気持ちよく観れそうだ、と思ったら最後は安楽死って。そういう話だったのか!ガンの痛みを和らげるためにヘロインを使ったりもするし、僕の倫理観ではちょっと「幸せな死」の話とは取りにくい……国民性の問題かなあ。いや、やはりドラマ進行に不備があるだろうこれは。
と言うわけで、最後まで何だかなあ、な映画でした。良かったのは主題歌と美人二人(ヤク中美女と中国人美女)くらいかな。舞台はカナダでセリフは全部フランス語ってのも新鮮で面白かったかも(しかしフランス語での早口の会話の応酬ってのはちょっと耳障り)。息子役のステファン・ルソーという人も使いようによっては良さそう、と思ったらこの人コメディアンなんですね。どうりで腑抜けた顔。