死に花(背景色でのネタバレ含)

高級老人ホームの元気な年寄り連中があることをきっかけに一念発起、銀行から現金を強奪する計画を実行に移す、というお話。えーと、絶賛したいので先にちょっとした不満点を述べておきます。一つ、元ちとせの主題歌は映画の内容に合ってない。二つ、ラストシーンはもっと脳天気にハッピーでも良かったのでは? 以上。と言うわけで……
ビバ!面白すぎ!文句つけたいところ一つも無し!老人ホームの世界をまるでSF的ユートピアみたいなイメージで提示しつつさり気なくキャラ紹介を済ませる掴みからして完璧。それに続く葬式シーンは藤岡琢也がほとんど神々しく見えてしまうロマンチックさ。その直後少し「えっ?」てな展開があるものの、後は一気だ。
端役に至るまで全員が役にビシーッとハマってる奇跡的なキャスティングと実に巧いこと配置してあるキャラクター設定(リーダー的存在の山崎努は実はボケの進行に怯えていて……っていうのとか)にぐんぐん引き込まれて、もう楽しいったらない。おまけに年寄りのビジュアルをきっちり効果的に使った変で綺麗な絵面も盛りだくさん。穴池復活→菊島の股間が……の場面のファンタスティックな雰囲気の盛り上がりは素晴らしいな。クライマックスでビルが一段階ずつ倒れていく展開がもたらす興奮感も実に素敵だ。ほんと、確実にマジックが起きている映画だと思います。公開中の邦画を見るなら是非これを。
いやーそれにしても宇津井健(元銀行員の役)が可愛くて困った。この人こんなに可愛い人だったんですね!たまらん。