CASSHERN

生まれて初めて最前列で映画を見るという体験をしました。うわあ、足が存分に伸ばせる!嬉しくねー!と言うわけでもしこの感想におかしな所があれば全部最前列のせいです。
さて、ひどい評判しか聞いてなかったのだけど実際観てみると……あれ、思ったよりは普通?少なくともアニメ映画として観れば普通だ(実写なんだけど)。こういう、社会的テーマ性が幼稚なわりに説教臭くて、セリフで説明しすぎで、回収されない伏線をわざとらしく残すアニメ映画っていかにもありそうだもの。そういうものとしてなんとなく割り切って観られたのでそれなりに楽しめた。展開もそれほどダレないんで退屈もしなかったし。でも、言うほど“映像美”って感じじゃなくてそれは不満だ。そこに関しては期待されても仕方ないだろう。特にアクションシーンなんて中途半端に「マンガの画面を実写で再現」的なことをやっていてつまらんなあ。もっと綺麗な画面が観たかった。
観てて面白かったのは『コールドマウンテン』並に無駄に豪華なキャスト陣。わあ、こんな所に浜崎貴司が!あれー、よく見たら伊藤淳史だー、などと、カメオ出演という柄ではない人達のカメオ出演が楽しめる。主要キャストには総じて「薄っぺらいセリフ言わされて可哀相」感がある(特に寺尾聰)のだけど、元からマンガ的雰囲気の及川光博佐田真由美なんかはその分キャラが動じず、カッコよかった。大滝秀治三橋達也あたりのベテラン勢もさすがの威厳。西島秀俊は理想に燃えるアブない国士という役に妙にはまっていて恐い。それにしても主演の伊勢谷友介の気色悪いセリフ回しには困った。『金髪の草原』(→感想)のときは意図的なものだと思ってたけど、いつもこんななのか。爽やかなルックスとのミスマッチがある種の“味”であるとも言えそうだけど、その“味”は僕の好む所ではないなあ。