ギフト

映像は綺麗だし、役者の演技もはまってて良いのだけど、肝心のストーリーがどうもパッとしない。夫を亡くし、それ以来子供達との関係もぎくしゃくしている主人公が超能力で行方不明者が殺されて沈められている池を言い当てたことから事件に巻き込まれるという、ミステリー要素のある筋立てにはあまり捻りが加えられておらず、意外な真相を用意できているとは言い難い。超能力という要素が展開をサスペンスフルにすることにあまり寄与してないし。事件をきっかけに子供達との強い絆を取り戻すという展開のほうは心暖まるもので良いのだから、どうせならもっとこっちの話を前面に出せばよかったのに。
とは言え、色鮮やかな隙のない映像と主演のケイト・ブランシェットの達者な演技のおかげで見てる間は結構楽しめる。ケイトの心神耗弱っぷりはそれっぽいわりに鬱陶しくないもので良い。他に役者陣ではジョバンニ・リビージが魅力的だった。微妙にスチュアート・タウンゼント似の変な顔でちょっと頭の足りない役を演じてるのだけど、これが子供の頃父親にむにゃむにゃされたって役柄に説得力を持たせる哀れさを含んだ可愛らしさ。わーお、また好きな俳優が増えてしまった。