トレインスポッティング

こりゃあ素晴らしい。原作(→感想)読んで気に入ってから見た映画で、こんなにガッカリしなかったのは初めて。テンポいいし、かっこいいし、音楽もハマってるし、何より原作についての愛のある解釈という感じがするのが良い。原作のエピソードは概ねそのまんまは取り入れられずに、そのエピソードに関わる人物も、物語内の置かれる位置も変えられて登場するのだけど、それでいてそのエピソードがもたらす“効果”は原作と寸分違っていないのはすごいなー。そんなわけで前半の群像劇っぽい部分は完璧。
勿体無いのは中盤あたり、話が主人公レントンに寄りすぎてしまうところで、ここはちょっともたついてた感があるな。この話に似つかわしくない種類の暗さが醸し出されてたし。薬切れによる幻覚をそのまんまシュールな映像で表してしまった原作にないシーンはわかりやすすぎてちょっと興醒めだった。冒頭のトイレに落ち込むシーンとか、あれくらいの幻想度なら原作への味付けとしてふさわしいんだが。ま、そのへんも終盤で持ち直したので満足できた。
キャラ萌えを求める向きには原作以上におすすめかも。キャラモノとしては、主要キャラ4人にそれぞれ個性的なはっきり区別できるビジュアルを持たせ、外見だけでもキャラが立つようにするという高等テクが使われているあたりを褒めたい。僕は原作に引き続きシック・ボーイのアホ可愛さにやられた。ジョニー・リー・ミラー(シック・ボーイ役)がこんなに魅力的に見えるなんて!