ゴーストシップ

『TATARI』(→感想)、『13ゴースト』(→感想)に続くダークキャッスル製作の3作目。で、今度公開する『ゴシカ』が4作目というわけですな。今作は、『TATARI』よりはだいぶマシなものの『13ゴースト』には及ばない、という感じ。悲鳴要員の美女が出てこないあたりとか、なんとなく今までで一番ストイックという気がする。こんな比較に意味があるのかどうかは知らんが。冒頭のワイヤーで一気に大殺戮シーンはよくやったと思うものの、もうちょっと悪趣味にできたんじゃないかね。このシーンが冒頭に置かれてる意味を考えれば、ある種のギャグ要素にすらなりえるくらいの強烈さが欲しかったところだな。
本筋の漂流船回収作業に話が移行してからはわりと退屈。別に怖くもない。でも、辻褄合わせとか過去の事件の詳しい説明なんかは不完全でもとりあえず“意外な真相”を用意したいという意図が終盤で伝わってきて、そういうのが伝わってしまうとミステリ読みとしては弱いのだった。この“意外な黒幕”の正体の用意の仕方は好きだなあ。稚気があって微笑ましい。まあ、そのあとの展開はぬるーいもので、「いい話」として終わらせることにすら徹しきれていないいい加減さはどうかと思うのだけど。