ドニー・ダーコ

完全に若者向けの映画ですなこりゃ。一部の若者が必要以上に共感しちゃいそう(佐藤友哉ファンなんてこの映画好きそうだな)。逆にいい大人がこれを大好きってのはどうかと思ってしまいそう。僕も最初はあんまり好感持てなくて理解する気になれなかったのだけど、ラストの落とし方がああなったところで好きになってもいいかもという気になった。あれは切実で夢のある「抵抗」だと思ったので。ある種のハッピーエンドと言ってもいいんじゃないかな。
銀の巨大ウサギだの腹のあたりから出てくるにょろーんとした発光体だの何かありそうな小道具や設定も、ぜーんぶ主人公の少年の思春期の若者特有の漠然とした不安感とか自意識過剰で勘違いしちゃってる感じ等等の精神状態を象徴することに奉仕するだけで、しかもそういう思春期のウダウダって基本的にウザいのだけど、こういう直接身体に訴えかけるような表現の仕方で描写されるとなんだか圧巻。うっかり共感しそうになる。映画館のシーンなんかちょっと感動的だったくらい。あと、三箇所くらいで出てくるPV風のシーンは巧いし変な味があって良い。
思春期の若者のウダウダがウザくない人にお勧め。ちょっぴりミステリ要素もあり。