クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

評判どおりかなあ、という感じで。期待以上でも以下でもなかった。ま、この映画って明らかに今三十代後半くらいの人をメインターゲットとしてるので(クレヨンしんちゃんの映画版でそれってのもかなりの冒険だよな)、83年生まれの人間としては微妙な反応になってしまっても仕方ないかもだ。いやそれでも十分面白かったんだけどね。
ストーリーはノスタルジーにつけこんで大人達を洗脳し、現実の21世紀は醜いだけだからもう一回架空の世界で20世紀からやり直そうとする組織、「イエスタデイ・ワンス・モア」に野原一家が立ち向かうというもの。映画前編に漂う普遍的かつ切実なノスタルジー、洗脳される大人達のホラー的な描写、父ひろしが洗脳から目覚めるあたりの“普通の幸福”を賛美する展開(泣き所)、ラストの懐かしがってばっかじゃダメなんだよな締め、全て巧くいってるんじゃないだろうか。シリアス方向に傾きすぎず、くだらないギャグもちゃんとあるし、文句を付けるのは難しいだろうな。
まあ一つだけ言うとすれば、家族で育んでいく平凡な幸せってのは同性愛者にはアピールしないよな、ってことかな。ほとんど冗談だけど。