ゴーストワールド

まあ、痛々しいなあと。トンガってるつもりで自意識過剰の世の中を斜に構えて見てた(でもブスの)女の子が高校卒業して、世の中に適応できないとダメなんだということに気づかされてしまう話。確かに切実な痛々しさがあると思うけど、あまり共感できる部分がなかったのが辛いかな。ダサい中年男とトンガってる少女のラブストーリー的な要素もあって、そのへんど真ん中でツボなはずなのにいまいち萌えないし。傷を舐めあうとこまですら行ってないからだろうか。ラストは曖昧で、どうとればいいのかよくわからん感じ。間違いなくハッピーではないだろうけど絶望でもないような。わりと前向きな印象が残ってしまった、僕には。
それにしても出てくる人が最低人間ばっかりで笑えるし笑えない。クイズに答えればタダで飲み物が買えるサービスを毎日ネットで答え調べて利用してる車椅子の男なんか最安値って感じだな。他にもエセ社会派な勘違い美術教師とか社会不適合者っぽいブルース・リーマニアとか、本当にひどい。ひーどーいー。でもスティーブ・ブシェミー演じるダメ中年の同居人は出番少ないのに存在感あって、なんだか気に入ってしまった。
田舎の才人的な自意識を持ってる人は見て痛がりましょう。